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ユーザーストーリー

ユーザーストーリーは、ソフトウェア開発において、利用者の視点からソフトウェアが提供する価値を表現する短い記述です。ユーザーストーリーは、開発チームがエンドユーザーの要望やニーズに焦点を当て、要件を理解しやすく整理するのに役立ちます。

一般的なユーザーストーリーのフォーマットは以下のようになります。

「(ユーザーの役割)として、私は(目標)を達成したい。なぜなら、(利益)だからだ。」

このフォーマットには3つの主要な要素が含まれています。

  1. ユーザーの役割:ソフトウェアを使用する利用者の役割や立場を表します。例:管理者、従業員、学生など。
  2. 目標:利用者が達成したい具体的な目標やタスクを表します。例:勤怠情報の管理、シフトスケジュールの確認、成績データの分析など。
  3. 利益:目標達成によって利用が得られる価値を表します。例:労働時間の追跡が容易になる、自分の働く時間を把握しやすくなる、成績改善のための洞察を得るなど。

ユーザーストーリーは、ソフトウェアの機能や要件を具体化し、開発タスクを適切なスコープに分割するのに役立ちます。また、ユーザーストーリーは、チーム間のコミュニケーションを向上させ、プロダクトバックログのアイテムとしてプロジェクトの優先順位付けを容易にします。

そしてプロダクトデザイナーとして、ユーザーストーリーを扱う方法は以下の2つに集約されます。

  1. ユーザーストーリーの理解: デザイナーはユーザーストーリーから利用者がどのような価値を求めているのか理解し、それをデザインに反映させる必要があります。また、デザイナーと開発者がユーザーストーリーを共有することで、プロジェクト全体の目標に対する理解が深まり、効率的な開発が可能になります。
  2. ユーザーストーリーの評価と更新: ユーザーストーリーを参考にして、利用者のメンタルモデルに沿ったワイヤーフレームやプロトタイプの作成とUIの実装をするなかで、ユーザーストーリーが適切に反映されているか評価し、必要に応じて更新します。また、ユーザーテストやフィードバックを通じて、ユーザーストーリーを改善し、デザインを最適化していくことが重要です。

ユーザーストーリーを活用することで、デザイナーは以下のような利点も享受できます。

  1. デザインの優先順位付け: ユーザーストーリーは、デザインの優先順位を決定する際の指標として役立ちます。重要なユーザーストーリーに対応する機能や要素に焦点を当てることで、リソースを効果的に配分できます。
  2. ステークホルダーとのコミュニケーション: ユーザーストーリーは、プロジェクトの進捗状況やデザインの説明に役立ちます。ステークホルダーがユーザーストーリーを理解することで、デザインの意図や目標について共通の理解が得られ、効率的な意思決定が可能になります。

要約すると、ソフトウェアデザイナーはユーザーストーリーを活用して、利用者の視点に基づいたデザインを作成し、プロダクトの体験を向上させることが求められます。また、ユーザーストーリーは開発チームやステークホルダーとのコミュニケーションを円滑にし、プロジェクト全体の効率を向上させる役割も果たします。